はじめに
ヘルニア(特に一時椎間板ヘルニア)は、痛みやしびれを我慢し、生活の質を大きく低下させる疾患です。
治療法には、薬物療法、理学療法、手術などさまざまな選択肢がありますが、
最新、鍼治療がヘルニアの症状緩和に有効であるとの報告が増えています。
1. ヘルニアの原因と一般的な治療法
椎間板ヘルニアは、椎間板の中心部にある髄核があり、神経を圧迫することで痛みやしびれを
引き起こしていると記載されています。一般的な治療法としては以下のものがあります。
- 保存療法(内服・理学療法): 消炎鎮痛薬、リハビリ、神経ブロック注射
- 手術療法:症状が重篤で改善しない場合に実施
- 代替療法(鍼治療、整体など):症状改善を目的とする補助療法
近年、鍼治療が保存療法と併用することで効果を発揮するという報告が増えています。
2. 鍼治療はヘルニアに効果があるのか?
① 鍼治療は痛みの軽減に悩む
2013年に発表されたコクランレビュー(系統的レビュー)によると、
鍼治療は慢性腰痛に対して意識的な鎮痛効果を示すことが確認されています。
(Vickers et al., 2013)これはヘルニアによる腰痛にも一定の効果がある可能性を示唆します。
②炎症の軽減と血流促進
鍼治療は、神経圧迫による炎症を抑制し、血流を改善することが報告されています。(Zhao et al., 2017)血流が良くなる、神経や筋肉の回復が促進されることで、痛みが軽減される可能性があります。
③ ヘルニアの手術と比較した研究
2020年に発表された研究(Xu et al., 2020)では、軽度から中等度のヘルニア患者に対する鍼治療が、手術と同等の痛みの緩和効果を示したことが報告されています。
この研究では、手術を回避できる可能性も示唆されました。
3. 鍼治療の科学
鍼治療がヘルニアに効果を発揮する理由として、以下のメカニズムが考えられます。
- 鎮痛効果:鍼刺激がエンドルフィンやセロトニンの分泌を促し、痛みを軽減します
- 神経調整:自律神経のバランスを整える、神経圧迫によるしびれを緩和
- 筋緊張の緩和:筋肉のこわばりを解消、血流改善を促進
4. 鍼治療を受ける際の注意点
鍼治療を検討する際には、以下の点に注意しましょう。
- 国家資格を持つ鍼灸師に施術を依頼する(無資格者の施術はリスクが高い)
- 即効性を求めず、回数の施術を受ける(効果が現れるまでに時間がかかることがある)
- 医師と相談しながら併用する(保存療法やリハビリとその間で相乗効果が期待できる)
- 当院では患者様に合わせて鍼灸治療の提案する事を意識しています。
- 刺激量や苦手などのお声にも対応しています。
- 予約はこちらから‼
まとめ:ヘルニアに鍼治療は有効な選択肢となる
鍼治療は、痛みの軽減・炎症の抑制・血流改善などの効果を持ち、科学の研究でも一定の効果が確認されています。 特に手術を回避したい場合や、保存療法だけでは改善が難しい場合の補助療法として有効です。